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自然

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太古の原野、命の繋がり
そして厳寒と生きる暖かな人たち

太古の原生林が残る、日本でも数少ない場所。自然の中で体験する、森の記憶と大地の鼓動、そこで暮らす野生動物たちとの出会い。
熊は山を守り、鳥たちは渡り旅をする。タンチョウは舞い、キタキツネが顔を出す。
海、山や森との出逢いが、感動的なドラマを演出してくれます。
厳寒な冬を何代も迎えてきたこの土地では助け合いの精神が根づき、人々に自然と優しさや思いやりの心が宿り、多くを語らずとも心の琴線に触れる様な、感動的な出会いが旅人を迎え入れてくれるかもしれません。

日本語の通じる、別世界

春の芽生と共に動き出す大地、夏の新緑に歌う鳥、秋の紅葉したカラフルな樹木、冬の白銀に輝く世界。色とりどりの四季が根釧をまるで映画の世界の様に演出し、非日常な毎日へと誘ってくれます。今や数少ない太古からの原風景や、原野に残る自然とそこに暮らす野生動物達は、私達に忘れていた大切な何かを教えてくれます。

凍える中の暖かな人の心

人と人との出会い、これも立派な自然の一部。根釧は厳しい気象条件に加え往来に便利なところとは言えません。だからこそ確固たる目的を持ち、決断し、意思を持って足を運ぶ旅人達。また、この厳寒な地では助け合いの精神が根付いています。時に心と心が触れあい、時に夢や情熱が燃え、時に思いやりに癒される。そんな人生にとって大事な時間に出会えるかもしれません。
根釧の自然

3つの国立公園

国立公園は環境省が指定した日本を代表する自然風景地。
 北海道には6つの国立公園があり、その中でも知床・釧路湿原・阿寒摩周の3つは根釧地域に存在します。絶滅危惧種や天然記念物に指定された動植物が多数生息し、本州とは異なる生態系が広がっています。雄大な大自然の中に入ると、地球を感じ大地の鼓動が聞こえてくるかのようです。
(世界自然遺産)
「知床国立公園」
知床国立公園
アイヌ語で「地の果て」を意味する「シリ・エトク」を語源とする知床は、まさに日本の最東北端に位置します(北方領土を除く)。知床国立公園は、火山活動や流氷などによって形成された険しく雄大な景観と、野生生物の豊かさに特徴づけられます。特にヒグマやシャチなどの大型哺乳類や、絶滅の恐れがある大型の猛禽類も多く生息し、それらを頂点として、様々な野生動物が相互に関係しあい、色濃く息づいています。
こういった生物の多様性と海・川・森の生態系のつながりが評価され、平成17年7月には知床は世界自然遺産に登録されました。
知床連山と呼ばれる山々が連なり、その山を隔てて東側の羅臼町、西側の斜里町と2つの町に分かれ、羅臼は根釧地域に属しています。オオワシ・オジロワシやシマフクロウといった絶滅危惧種に指定された動物が生息していること、遠くロシア・アムール川からの流氷が影響する生態系、サケ類が遡上する川が結ぶ海と陸との関係、法的整備により環境を守れる体制が整っていること等が評価され世界自然遺産に登録、海洋を含むエリアの世界自然遺産登録は知床が日本で初めての場所です。

「釧路湿原国立公園」

釧路湿原国立公園
釧路湿原国立公園は、北海道東部を流れる釧路川とその支流を抱く日本最大の釧路湿原及び湿原を取り囲む丘陵地からなります。手つかずの広大な景観はこの地の何よりの魅力です。また、国の特別天然記念物のタンチョウをはじめ多くの動植物の貴重な生息地となっています。
釧路湿原は、明治以降、開拓が困難なため、役にたたない土地と考えられてきましたが、戦後の食料不足による農地開発や市街地開発及び丘陵地伐採などにより、湿原面積の減少や乾燥化が進みました。それに対し地元の研究者や自然保護団体が、湿原の価値を見直すための運動を続けた結果、その価値が国際的に認められ、昭和55年に日本で最初のラムサール条約登録湿地となり、7年後には国立公園に指定されました。
湿原を中心とする初の国立公園の誕生は、かつて「不毛の大地」と呼ばれた湿原の自然環境に対する価値が、地域の活動を通して見出された結果、日本の国立公園史に新たな歴史を刻んだ出来事といえます。

「阿寒摩周国立公園」

阿寒国立公園
北海道東部に位置する阿寒摩周国立公園は、北海道で最も歴史のある国立公園の一つです。公園区域の大部分が亜寒帯性の針葉樹林を中心とする天然林に被われ、国立公園の中でも原始的な姿を有しているといわれています。
阿寒摩周国立公園の基盤は、千島火山帯の活動によってできた阿寒・屈斜路・摩周の3つのカルデラ地形です。火山と湖とのペアが狭い範囲でいくつも近接している地形は、全国的にも貴重なものです。
公園は大きく、阿寒地域と摩周(川湯)地域の2つのエリアに分けることができます。阿寒地域では、悠然とそびえる雄阿寒岳・雌阿寒岳やその周辺に広がる阿寒湖、オンネトーなどの湖沼の美しい景色が見どころです。摩周(川湯)地域では、世界有数の透明度を誇る摩周湖や、周囲の峠や山から一望できる屈斜路湖、季節ごとに変化する森林の景色が見どころです。

厚岸霧多布昆布森国定公園

 2021年3月30日、釧路町・厚岸町・浜中町及び標茶町の各一部が新たな国定公園に指定されました。国内58か所目、北海道で6か所目の国定公園となり、面積は陸・海合わせて41,487haと広大な公園です。
区域内には別寒辺牛湿原と霧多布湿原の2つの大きな湿原が広がり、多種多様な動植物を目にすることができます。また、湿原の養分が別寒辺牛川を通って厚岸湖に運ばれることで、厚岸の名産である美味しいカキが育ちます。自然・風景・食の感動を体験できるエリアです。
厚岸湖

「厚岸湖」

牡蠣やあさりの養殖場として有名な厚岸湖。海とつながっていて海水と淡水が混じり合う汽水湖で、湖と湾の間には厚岸大橋がかけられています。湖の中には牡蠣の殻が堆積してできた牡蠣島(正式には弁天島)と、小さな弁天神社があります。
ラムサール条約湿地に登録されており、オオハクチョウやガン・カモ類の渡来地、タンチョウの生息地にもなっています。
霧多布湿原

「霧多布湿原」

霧多布湿原は3,168haの広さを持つ国内有数の湿原で、道立自然公園として親しまれ、1993年6月には釧路市で開催された『ラムサール条約締結国会議』で登録湿地に認定。季節により四季折々の姿を見せ、春の雪解けとともに徐々に緑が生い茂り、夏から秋にかけては多くの花々が湿原を彩り『花の湿原』とも呼ばれています。冬には雪により白く染まり、時折タンチョウ、オオワシなどを見ることができます。
別寒辺牛湿原

「別寒辺牛湿原」

アイヌ語のペカンペ・ウㇱ(ヒシの実のある場所)が由来とされ、1993年に厚岸湖の上流約8,300haの湿地がラムサール条約に指定。湿原内を流れる壮大な別寒辺牛川では大自然の中でカヌークルージングを楽しむことができます。また水鳥観察館が隣接し、中には野鳥についての展示があり、観察コーナーでは湿地に現れる数々の野鳥観察を楽しめます。

野付風蓮道立自然公園

 野付半島エリアと風蓮湖エリアの2つに分かれ、日本最大規模の砂嘴(さし)を形成している野付半島、海跡湖の風蓮湖、温根沼、長節湖、砂浜海岸や湿原など、壮大な自然景観を有しています。「野付半島・野付湾」と「風蓮湖」は「鳥獣保護区」に指定。野付半島のトドワラは「日本の渚百選」にも選定されている景勝地です。
野付半島

「野付半島」

野付半島は、日本最大規模の砂嘴(砂でできた地形)で、標津町と別海町に属する、28kmにわたる細長い半島で、ラムサール条約に登録されています。半島を進むと野付半島ネイチャーセンターがあり、周辺の野生動物、植物や地理、歴史を展示・解説しています。「野付」の名はアイヌ語の「ノッケウ」(下顎)に由来し、半島の地形をクジラの下顎に見立て名付けられたものとされています。
春国岱・風蓮湖

「春国岱・風蓮湖」

春国岱(しゅんくにたい)は、根室にある風蓮湖と根室湾を分ける砂州に成立つ湿地・原生林。ほとんど人の手が入っておらず、原始の自然が残るこの場所は、まさに野鳥観察の聖地。多様な植生や野生動物を見ることが出来ます。「根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター」では、周辺の自然に関する展示が常設されています。また風蓮湖ではオオワシやオジロワシなど希少な絶滅危惧種も見ることができます。
©一般財団法人大地みらい基金